胡桃カルテット | あなたがいない街 / 茜 | TRK2024

あなたがいない街

眩い光を眺めながら
僕の知らない町を歩く
春の匂いに巻き込まれて
どこからかラジオの音が聞こえる

どこまでも流れ出す
季節に戸惑いながら
追い越す風には
少し寂しさが詰まっていたんだ

ねぇ気づいて
私はここにいるよ
目を凝らしてみても
まったく見つけられない
街が変わった
まだ置いていかないで
あと少し近づけたなら
僕は同じ空のなか

目の前が少しぼやけてる
綺麗なものを見ていたくて
あとどれくらい
このままでいられるかな
薫風が辺りを覆い出さないように

どこまでも溢れ出す
時間に戸惑いながら
追い越す風には
少しが寂しさが詰まっていたんだ

ねぇ気づいて
私はここにいるよ
少し走ってみても
まったく追いつけない
街が変わった
また戻ってくれるかな
少し凍えるように
また見つけられるように

私はまだ
風が吹くのを待っている
曇の形が
気づかないうちに変わってる
声が聞こえてくるかもしれない
僕はまだ巻き込まれたまま

ねぇ気づいて
私はここにいるよ
目を凝らしてみても
まったく見つけられない
街が変わった
まだ置いていかないで
あと少し近づけたなら
僕は同じ空を
見つけれたのかな

朝焼けが 滴った 君は泣いてる顔を見せた 伽藍堂の部屋で 重ねた記憶に縋り付いてる そばだてた 耳の奥に まだ微かな影が あなたがこぼした涙を 拭えずいる

真夜中のアンデッド 僕は言葉を選んでる 物静かな街は どこか 寂しそうな顔をした

焦燥感が溢れて 渋い顔ばかりのニュースキャスター 予報は雨 どうか 明日の僕らを見逃してくれないか

しののめに 差し出した 凍えた手のひらが 茜に色移り 錆びた体一人きり歩く 繰り返した罪も 見出した祈りも 雨曇りのあなたの 頬を掠めるにも足りない

焦燥感が溢れて 渋い顔ばかりのニュースキャスター 予報は雨 どうか 明日の僕らを見逃してくれないか